matsunoe

2022/12/10 17:34

8年前のOPEN以降、常に店頭で品種を変更しながらご紹介し続けてきた「ご家庭用のお出汁用昆布」最初は「天然の真昆布の赤葉」と呼ばれる、成型時にカットされる歩留まりの耳の部分をご案内しておりました、天然である事に比重を置いていたので、販売を長く続ける中で、品質が御客様に紹介する事が容認できないレベルにまで下がってきた時期に、次に変わる商品を探していて出会ったのが今回の主役である「釧路棹前 根こんぶ」です。正直昆布屋さんはこんな便利な商品があったら商売あがったりなので、まず御客様に進める事はしてこないと思います。実際当店も仕入れ交渉時に出し渋られたので、今までの販売実績と包装資材供給を含めて製品化して頂きました。なぜ昆布屋さんが困るかというと、このお出汁用でご紹介している根昆布の品種は「釧路棹前昆布」という、昆布巻きなどにして煮て食べる柔らかい品種の頭とよばれる根の部分なので、力強いお出汁が取れるうえ出し殻の昆布が柔らかいので、そのまま煮物などに使っていただいて取り出さずに一緒に食べて頂けるという優れた特徴に対して、圧倒的なコストパフォーマンスなので、こんな便利な商品があったら高い値段のちゃんとした昆布が売れなくなってしまうので本業の方は嫌がるわけです。これぞ市場ならではという飲食業界の裏側に触れないとご案内が出来ない商品かと思います。乾物業界は資金力と歴史である程度元締めが決まってしまう、御客様が思っているよりも結構狭い業界です。その先の仕入先様を直接知っていても当店が場内からの商品調達を優先的に行う理由は、乾物は庶民のモノであるという考えの元、形や大きさで価格が決まる商品よりも、御客さんにとって必要なスペックのモノを店頭で自由にご案内できるようにする為です。元々が地味な商品ではありますが、その細かな商品選定がいまのご愛顧に繋がっているかと思いますので、今後も物価高ではありますが、品質を落さずにより良い商品をご紹介してまいりますので、ご愛顧の程宜しくお願い致します。